バジルの作文

そう言えばちょっと前になるけど、バジルの家庭学習として作文を書かせたことがあった。

男の子にありがちだと思うけど、バジルは作文が大の苦手。
国語は得意中の得意の科目だし、読書量もかなり多い方だと思うけど、作文はからっきし…作文と言うよりも、毎度「報告書」っぽい内容で、面白みも何もない。淡々と「事実」を述べているだけなのだ。

夏休みの読書感想文の宿題なんか拷問に等しい苦行らしい。
もちろん、それを赤入れする私にとっても苦行だけど。



こないだバジルに与えたお題は「今週の話題」。
内容は何でもいいんだけど、

　- 楽しかった
　- 面白かった
　- 嬉しかった
　- また ～ したい
　- なぜかというと…

は使わないこと。というのが条件。

（「なぜかというと」って、私の中では妙に座りの悪い言い回しなのです。どうせ書くなら「なぜなら」とか、「～だからです」とかでまとめて欲しいと思ったりして…って、完璧に好みの問題なんだけど）


その週は、オバマ大統領が就任したり、バジルの前歯に矯正具が装着されたりしたので、話題満載かと思いきや、原稿用紙を目の前にフリーズしていた。


「話題なんか何もない」「いつもと同じ一週間だった」と、フランス革命の渦中にありながら日記に「Rien」（= nothing = なにもなし）と書きつづったルイ16世のようなことを言うので、

「ほら～。アフリカ系アメリカ人の大統領も就任したしさー、バジルの前歯だって…」


って誘導したら「あー、そうかそうか♪」とようやく鉛筆を持って書き始めた。

「できた！」といって差し出された内容を読んでひっくり返ったよ。

今週は、初めてきょうせいをつけました。きょうせいの金具が口の内側に当たって痛いです。口内炎ができて、まるで針で刺されたような気分です。上から押すと、ナイフで刺されたように痛いです。それから、アメリカではオバマ大統領が、大統領候補から普通の大統領になりました。ovama大統領がきょうせいをしたら、スピーチをするのも大変だと思います。

何じゃこりゃー!!


「まるで針で刺されたような」なんて、バジルにしてはなかなかの表現だと思って花丸をつけたのに、そのあとで「ナイフで刺されたような…」ってオーバーやし（^^;;

段落も変えずに、いきなりオバマ大統領の話題に移ったうえに、「大統領候補から普通の大統領」って（笑）言いたいことは分かるが、何か変。普通の大統領って何やねん。
それに、なぜか「ovama」とローマ字表記…しかもスペル間違ってるし（爆

それでもって、「ovama大統領がきょうせいをしたら」って意味不明…



これからも作文はテコ入れしなきゃなぁ…と暗澹たる気持ちになってしまった…