…悩む作品だった>『華氏911』

『華氏〜』といえば、かつて、SF作家のブラッドベリが "Fahrenheit 451"(『華氏451度』)という題名の本を書いてたっけ。中学生の頃、国語の授業のテキストとして使った覚えがある(こういう本をテキストとして使用する先生のセンス、なかなかすごいなぁと今さらながら思ったりして)。

ブラッドベリの『華氏451度』は、本の所持や読書が禁じられた世界の話で、言語統制とか情報のコントロールとかがいかに危険であるかということを説いた作品だったけど、この『華氏911』も内容的には、イラク戦争を攻撃したアメリカ(というかブッシュ)がいかに情報をコントロールし、人々の心を巧みに操ったかということを描いたもの。

内容についてはネタバレになるので割愛するけど、ムーア監督の冷静かつ怖いもの知らずな視線が何とも痛快だし、議会を皮肉ったりするところなんて思わずニヤニヤ笑ってしまったりする。

アメリカでは、日本以上に格差社会が深刻であることは周知の事実だけど、それを逆手に取るような形で海兵隊の募集兵が失業率の高い寂れた町をまわり、若者たちに入隊を勧め。口車に乗せられた若者たちが、イラクでノリノリの音楽を聴きながら、無実の市民たちを次々に殺害していく様子を見ると胸が痛む。

+++

これを見る前に『ボウリング・フォー・コロンバイン』(コロラド州のコロンバイン高校の銃乱射事件を軸に、アメリカの銃社会について取り上げた作品)も見たが、NRA(全米ライフル協会)の会長である俳優のチャールトン・へストンの自宅に突撃したり、この事件の被害者の少年2人と一緒に K Mart の本社を訪れ、全米の店舗で銃弾の販売を差し止めるよう交渉したり(そして交渉は成立して、K Mart は銃弾の販売をやめることにした)、なかなか見ごたえがあった。

他にもMoore監督の作品があれば、ぜひぜひ観てみよう!
ドキュメンタリーでここまで見ごたえがあると嬉しい。

コメント

nophoto
サツキ
2007年11月2日5:18

今、Mooreの「Sicko」が上映されてますね〜
邦題が「シッコ」…

むう〜せめて「シッコウ☆」とかにして欲しかったな。
(☆は余分ですが笑)

オリーブ
オリーブ
2007年11月2日8:48

Sicko もみたいのですが、DVD 化されるまで待つつもりでーす。そのうちケーブルTVでもやるだろうし。

にしても、邦題…もうちょっと考えて欲しいですよね。
シッコ はないやろー(笑

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