<奈良高1放火殺人>嘆願書が1500通以上…弁護士明かす

 奈良県田原本町の医師宅放火殺人事件で、逮捕された高1の長男(16)に接見した弁護士は8日、長男が通っていた有名私立進学校の保護者有志が今月から始めた嘆願活動に対し、既に1500通以上の嘆願書が集まったことを明らかにした。学校関係者を中心に、全国の学校外の人からも寄せられているという。
 嘆願書は定型のない手紙形式で、「どこでも起こりうる話」「彼だけが特別ではない」「精神的につらかったのだろう」などと、寛大な処分を求める内容が多いという。
 こうした嘆願書について長男は「こんなバカなことをしたのにやさしくしてもらい、みんなにお礼が言いたい」と弁護士に話したという。
 また、事件当日に持ち出した父親との写真について、長男が「本当は家族全員で写った写真を持って出るつもりだったが、すぐ目についたのは、父と一緒に写ったものだった」と話していることも明らかにした


ここんとこ、↑の事件とか、あとどこだったけか、19歳の女の子が「お父さんムカつく」って家に放火したり、はたまた昨日は阪大生が「小言ばっかり言ってかっときた」とお母さんを殺したりとかいう事件が相次いでいる。

19歳の女の子と阪大生の事件は、報道を聞いてる限りでは「親も気の毒だなぁ」と思わずにはいられないが、奈良の子の事件については、亡くなった三人や残されたお父さんはもとより、彼自身も被害者なのかも…と同情を禁じ得ない。

一番の被害者は、巻き添えを食らった幼い弟・妹だろうけど、事件を起こしてしまった彼も、「幼稚園時代から勉強勉強で、遊ぶヒマがなかった」とか、「漫画を読むと父親に叱られるから、学校で読んで友達にあげていた」とか、さぞかし緊迫した毎日を送っていて、精神的に追い詰められていたんだろうなぁと思ってしまう。

報道によると、お父さんは私立の医学部(だったか、私立の医大だったか忘れたが)を卒業して医師になったけど、国立大卒の医師に対してちょっとしたコンプレックスを持っていて、小さい頃から「医師になりたい」と口にしていたわが子に希望を託したのと同時に、「息子にはあんな思いはさせまい」と躍起になっていたんだろう。

それも一つの親の愛情なんだろうけど…
毎晩熱心に勉強を見て、テストの成績だとかも気にかけて、それはそれは、お父さんにしても「息子のために」と力が入っていたんだろう。

入りすぎていたというか。
(関係ないけど、進学校の授業内容をマンツーマンで教えられる学力があるのもすごい。私には絶対ムリ(笑))

国立大卒に対するコンプレックスというか、「しょせん、世間は学歴なのか」と実感することは、私の父にもあったらしい。今はどうだか分からないが、父が現役で働いていた頃は(特に父が若かりし頃)、そういうのもあったのかもしれない。

父は、関西の某私大の出身だ。
海外の駐在員まで務め、そこそこの地位までたどり着いたものの、やはりふたを開けてみれば、国立大卒で入った人とはスタート時点からして違ったと思ったという。払うべき努力の量も質も違ったというか、そういうところがあったらしい。

そういう思いがあったからか、今でもちょっと酔ったりすると、自分はともかく、子どもが2人とも(私と弟ミント)国立大を卒業したことを何よりも自慢に思うと口走ることがある。そもそも、私も弟ミントも、国立大学に入ったのは母に「私立ってお金がかかって大変なのよ〜。国立に入るとだいぶラクなんだけどね」とそれとなく誘導されたからであって…。

自慢に思ってもらえるのは嬉しいけど、それはあくまでも結果であって。逆に言えば、結果を評価してもらえたから嬉しく思うだけなんだけど、奈良の少年の場合、【国立大(到達地点?)】への「過程」の中で、親が口やかましく干渉してくるのは鬱陶しいだろうなぁ。色んな選択肢があってこその人生なのに、親が先頭に立って、首に縄をつけて「お前はこっちに来るんだ!」って強引に引っ張って抗うことすらできなくなると、これから先の人生にちょっと絶望するかもしれない。「こいつさえいなくなれば」って思うのも当然だろう。私だって、高校の時に「国立大!」「国立大!」と親に言われていたら、反発したくなったと思う。さすがに殺すことは選択肢になかっただろうけど。

中学・高校って、大人は理不尽だなぁと思ったり、親ってちょっと鬱陶しいなぁと思ったり、友達との世界が大事になったりする。それで普通だと思うんだけど、その時期に、親が自分の世界に入り込んできて、「こんな成績じゃ国立に入れない」だの、「漫画読むな」だの、勉強部屋を『ICU』と呼ぶだの、毎晩のように個人特訓だのと関わりが濃くなりすぎると、さすがに息苦しいだろうな。家に帰るのも辛くなるだろう。

プッツン!と切れる前に、どっかガス抜きできるところがあればよかったのに、それすらできなかった(あるいは許されなかった)彼は気の毒だと私も思わずにはいられない。

でも、あのお父さんは「自分は熱心に指導した。その上、妻と子どもも奪われた。なのになぜ、世間は犯人である息子に同情的なのか」と思ってるかもね。

+++

でも、ふと思うと、ひょっとすると、私も世間的には「こういう」親のカテゴリの中に入れられてるのかなーって。

去年は、バジルを小学校受験させるために塾に通わせて、小学校に入ったら毎日朝は早いし、授業の進度も速いし。これから先はどうなるかは分からんけど、中学受験をするのは間違いないだろうし。

幸いなことに、バジルは学校が大好きだし、いい友達も沢山できて毎日を謳歌してる。これもまた、「結果的に」良かったと思う。

でも、子どもの世界を尊重し、それをちょっと離れたところから見守るのが一番なんだろうな。そりゃ、親としてはあれこれ気になって鼻先を突っ込みたくなる気持ちはあるけど。

去年、ある学校の説明会で「ある時期が来れば、手を放す必要はあるけれど、親の役目は『決して目を放さないこと』だと思う」とおっしゃった校長先生がいたけれど、本当にその通りなんだろう。

コメント

nophoto
さつき
2006年7月9日20:02

うーん、少なくとも私は、「こういう」親のカテゴリにみやーんさんが入るという印象は全然ありませんでしたよー。

とてもいい環境を用意してあげて(そのために徹夜で働いて…)、バジル君、幸せだと思います。
それに、恐竜や折り紙のように、本人が自発的に夢中になれるもの持っているっているのも素晴らしいことだし。

オリーブ
オリーブ
2006年7月9日20:35

ありがとうございます (T_T) 私を実際に知ってる人は(さつきさんのように…)私が適当な人間だってのは分かってくれてるのでしょうが、夫の会社の人なんかはぜんぜん面識がないので、「教育ママ」と思われてるようで(笑)

まぁ他人にどう思われてもいいんだけど、バジルがプツンと切れたときに「ああやっぱりね。お母さんがあれだから」と言われちゃ、ちょっとかなわんなぁと思ったり。

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