小さな優しさ

日付の感覚がない生活を送っている今週。気が付いたら木曜日で、明日納品の原稿の赤をまだ入れていないことをいきなり思い出し、追い討ちをかけるように夕方になって短い原稿1本を明日の朝までに上げてくれという。

断ろうとも思ったんだけど、ソースクライアントが非常に面倒な人らしく（いちいち細かいらしい）今まで翻訳者を何人か切ってきたらしい。

エージェントの担当者が「無理を承知で言いますが、向こう（ソース）がオリーブさんにしろとうるさいし」と言うので、ここまで言われるのも翻訳者冥利に尽きると思い直し、請けることにした。

ま、早い話が、自分の首を自分で絞めたわけですが。

毎週、火・木・土はジムの日と決めているんだけど、当然今日はいけず。雨も降ったり降らなかったりで変な天気だったから別にいいし、ジムで体を動かす時間があるなら、5分でもいいから寝たいくらいの心境だった。

午前・午後と同じ姿勢でパソコンに向かっていたので肩は痛いし、腰もボキボキいうし、できるだけ自分の周りの環境を快適にしようと巨大マグにコーヒーを入れ、あとは水、ティッシュペーパー、お菓子を適当に配置したら、もう机の上はいっぱいいっぱい。

夕方。

メールが来たので確認すると、バジルが学校最寄り駅の改札を通過したという「あんしんグーパス」からの通知だった。

うちの最寄り駅と学校の最寄り駅を2つ登録しておくと、その改札を通ったら、1日4回（往復で）メールが配信されるというサービスなんだけど、最初は GPS ケータイも持たせてるし、別にあってもなくてもいいかなぁと思っていた。

が、これが案外使える。

バジルが携帯を学校に忘れてきて、「かえるコール」ができない時は特に。

通学するのに電車に乗ったりする子には便利なんじゃないだろうか。


何はともあれ。


バジルが学校最寄り駅を通過してから20分後、自宅最寄り駅まで迎えに行った。すると、ポツポツと雨が。

バジルは傘を持ってるけど、私は持ってない。降らないだろうと勝手に思い込み、チャリで行ってたし。

バジルに「風邪ひくとアカンから、傘さしや」

と言うと、ぱっと傘を開き、ふと私の頭の上に差しかけてくれた。

「バジルありがとう〜。優しいなぁ。嬉しいから、今日、日記に書こうかな。バジルは最高に優しいですって」

というと

「じゃぁ、後でボクの作文ノート貸してあげる」

（当然、家に帰ったら作文ノートのことなんかすっかり忘れてたけど）